自宅でできる美容、健康情報やエステ、スパ、ヨガなどの店舗、サービス情報をお届けするあなたのwell‐beingガイド

マニュアルよりも相手を想う心。タッチングの心地よさと香り

2018.2.8

今年も1か月が過ぎました。年始早々忙しく過ごされた方、猛威を振るっているインフルエンザにかかって辛い思いをされた方、想像以上だった関東の積雪やなかなか溶けないアイスバーンなどに悩まされた方さまざまだと思います。寒い日が続いていますが、そんな季節だからこそ「温度を感じる」アロマテラピーを楽しんでいただければと思います。

ハンドトリートメントを今こそ見直そう

ハンドトリートメントとは、オイルやクリームなどの基材を使ってタッチング(肌をなでる、さするなど)することを言います。私は普段セラピストとしてだけでなく講師としても活動していますが、最近、特に生徒さんのハンドトリートメントへの反応が興味深かったのでご紹介したいなと思います。

タッチングによって、「幸せホルモン」ともいわれるオキシトシンというホルモンが脳の下垂体後葉で分泌され、繰り返し皮膚に触れることによりその効果は持続すると言われています。ここでは詳細を割愛しますが、やさしくゆっくりと相手を大切に想うように触れることで、自分自身も、それから触れられた相手もとても心地よく感じます。

施術する時はもちろん、ハンドトリートメントをお教えする場面でも必ずお伝えしているのが、次の3つのポイントです。

 

①呼吸をゆっくりと整えること

②ゆったりリズムで行うこと

③良い香り・好きな香りを使うこと

 

①呼吸をゆっくりと整えること
施術に一生懸命になるあまり気が付かない間に息が止まっている人が多いのですが、自分自身の呼吸を意識しゆっくりと整えるように行うことで、相手の呼吸もゆっくりになってきます。ゆっくりとした呼吸はそれだけで安心感を得られ眠気を誘います。

②ゆったりリズムで行うこと
自分が思っている「ゆっくり」よりもさらに1テンポくらいゆっくり行うことを意識するよう伝えています。自分がゆっくりだと思っていても、受けている方は速く感じることがあります。なので、気持ち1テンポ遅いくらいがちょうど良いと思った方が良いです。とにかくゆっくり、ゆっくり…。

③良い香り・好きな香りを使うこと
受け手の好きな香りを選ぶということ。精油の効果効能だけで選んでしまうと、「自分を精油に合わす」ことになり快適でないこともあります。自分に合う精油を選べるようになることが大事ですよと伝えています。今日はこの香りを使いたいな、という自分のココロやカラダの声に耳を澄ませ、ほんのり香るくらいの濃度で使うのがストレスにならず心地よさを感じられます。

 

テクニックは後からでも学べます。「相手を大切に想う気持ち」を持ちながら①~③を意識してハンドトリートメントをしましょう。相手の方と交互にやりっこすると良いですよ。

講座中にもかかわらず「なんだか眠くなってきました」「気持ち良くてウトウトします」「ずーっと触っていてほしいくらいです」というお声をよく聴きます。自分自身がそういう施術ができるようになって、相手の方にこのように思ってもらえたら嬉しいですね。施す・施されるという上下関係ではなく、どちらにとっても心地よいものであるというのが一番良いのではないでしょうか。

 

オススメのアロマ

オススメの香りは、イランイラン、ラベンダー、ヒノキ、ゼラニウム、ドッグローズです。これらはどちらかというとリラックス系の香りに分類されるものが多いです。もちろん、好きな香りを使っていただくのがベストなので、あくまでこちらは参考程度にしていただいて良いです。

ドッグローズの精油は、ノバラからとれる香りです。学名はRosa caninaでかわいいピンク色のお花です。ローズアブソリュートやゼラニウムと似た香りがします。この香りを嗅いだ私のイメージでは、華やかさもありながら控えめさも併せ持つ古風な女性のイメージがします。大好きな香りの一つです。

その時の気分で香りを決めるのもまた楽しみの一つ。いくつかお気に入りの精油を準備しておくと楽しみも増えオススメです。

オイルだけでなくクリームだって良いのです

ハンドトリートメントに使うのはキャリアオイル(トリートメントオイル)だけとは限りません。クリームを使っても良いのです。

お気に入りの香りの付いたハンドクリームやボディクリームを、少し多めにつけてハンドトリートメントしましょう。オイルよりも肌に馴染みやすく、慣れていない方もベタつきがさほど気にならないと思います。

 

以前緩和ケア病棟でアロマケアをしていた時に、訪れたお部屋で私にとっては初めてクリームを使ったハンドトリートメントをしたことがありました。患者さんのお気に入りのバラの香りのするハンドクリームです。たくさん使ってもあまり伸びがよろしくなく(おそらくクリームだけでなくお肌の状態にも関係していたと思いますが)、内心困ったな…と思っていましたが、その方がおっしゃいました。

「このにおいが大好きなの。気持ちが良いわ~。」と。

 

ハッとしました。いちセラピストとしてはたしかに受け手の方の肌への負担や摩擦を避けるためにも、気持ち少し滑りやすいくらいの量を使った方が良いと思いますが、この方にとって一番大事なのはその部分ではなかったのです。

もちろん、私が気にした部分も施術する側としては意識しなければならない大切な部分ではあるのですが、安全を確保した上で受け手の方が安心できることや、好きな香りに包まれること、そして私からその方に対する「大切に想う気持ち」。ハンドトリートメントのテクニックよりも大事なことがあると、あらためて気が付いた出来事でした。

 

いかがでしたでしょうか。

人と人との触れ合いというのはまさに温度を感じること。人間関係や絆が希薄になっていると言われている昨今ではありますが、今こそ心地よい香りとタッチングを体感し「相手を大切に想う気持ち」を見直しましょう。