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転職用語の基礎知識 「試用期間」とは?

2019.3.11

求人広告などで見かけることが多い「試用期間」ですが、実は誤った認識を持っている人や会社が多く、労働トラブルに発展してしまうこともあります。転職のこんなはずでは…をなくすためにも、今回はそんな試用期間について基本事項を確認していきましょう。

昨年(平成30年)1月より「職業安定法」の改正が施行され、労働者を雇い入れる際の求人票や募集要項などにおいて明記しなければならない事項が追加されました。(最低限明示しなければならない労働条件等)

その中の一つが「試用期間」に関する事項です。

今回の改正によって試用期間が設けられている場合、

  • 試用期間の有無
  • 試用期間の長さ
  • 試用期間中の労働条件が本採用後の労働条件と異なる場合はその条件

が求人広告や自社サイトの採用ページなどに明記されることになりました。

また、求人広告には記載されていなくても、選考過程において試用期間を設けることになった場合、条件が変更された後速やかに応募者に通知することも義務付けられています。(変更明示)

求人広告を見る際は試用期間についても確認し、自分にとって納得できる労働条件であるかをしっかりと見極めてください。

求職者の皆様へ~ 求人票・募集要項等のチェックポイント ~|厚生労働省HP(PDF)

 

試用期間に関する疑問や誤解

そんな試用期間ですが、

  • 実はどのような制度かよくわからない…。
  • 試用期間中は簡単にクビになってしまうこともあるの?
  • 試用期間中なら簡単に辞められるって本当?
  • 試用期間中は最低賃金以下でもしかたない…。
  • 試用期間中は雇用保険や社会保険に加入できないの?

など、さまざまな疑問や誤解を抱いている人も多いのではないでしょうか?

今回はそんな試用期間についての知っておきたい基礎知識について解説していきます。

 

試用期間とは?企業にとって有利なルール?

ご存知の通り、企業は一度雇用した従業員に対し簡単には辞めさせることができません。

解雇するのに社会通念上相当と思われる客観的に合理的な理由があり、解雇しようとする従業員に対し解雇事由の明示を行い、30日前までに解雇の予告を行ってはじめて解雇に至ります。

特に解雇理由に関してはハードルが高く、能力不足が解雇理由の場合でもすぐに解雇できるわけではなく、解雇までの間に再三にわたる注意と指導を行っている実績があってはじめて認められることです。

このことから、企業としては採用に慎重にならざるを得ないのですが、ただ、どんなに優秀な採用担当者が面接を重ねても実際に働きだしてみないと採用した人の正確な適正や能力は判断できないというのが実情です。

そのために試用期間という制度が設けられています。

試用期間とは、採用後に実際の勤務を通して従業員の適性などを評価し、本採用するか否かを判断するために企業が設ける期間のことを言います。

そしてこの試用期間ですが、試用期間中の労働契約は「解約権留保付労働契約」と判断されています。これは、通常の労働契約とは違い、雇用主にいったんは有効に成立した契約を事後的に消滅させる権利(解約権)があるという意味です。(通常は解約権なし)

つまり雇用主側が試用期間中に従業員が不適格であると認めた場合は、それだけの理由で留保した解約権を行使し、契約を解約できるという契約です。

そういう意味では、試用期間は労働関連のルールの中では珍しく会社側に有利なルールと言えるかもしれません。

 

試用期間中でも簡単には解雇できない!ただし例外もあり

上記のように書くとあまりにも労働者側に不利なルールだと思われがちですが、あくまで「試用期間中は通常よりも広い範囲で解雇の自由が認められる」にすぎません。やはり試用期間中であっても、従業員を解雇するためには客観的に合理的な理由が必要と判断されることの方が多いようです。

また、解雇の手続きも通常の労働契約と同じように手順を踏むこと(解雇事由の明示・30日前までに解雇予告)が求められます。

ただし、試用期間開始から解雇までが14日以内の場合は注意が必要です。

雇用主側が試用開始から14日以内に解雇する場合は、労働基準法第21条の規定により、解雇予告をすることなく解雇を行うことが可能です。

 

合理的と判断される解雇の理由は?

試用期間中の解雇理由として客観的に合理的だと認められるのは

  • 勤務態度が極めて悪い場合
  • 正当な理由なく遅刻・欠勤を繰り返す場合
  • 本人の履歴に重大な虚偽の事実があったことが発覚した場合

などがあります。

基本的には、普通に働いていれば理不尽な理由で解雇となったり、本採用が見送られたりということはなさそうですので安心しても良いでしょう。

ただし面接などで、誇張して自分を良く見せようとしてしまう人は、後々自分の首を絞める結果になることは確実ですので気をつけてくださいね。

 

試用期間の長さは?延長もあり得る

企業は従業員の能力や適性を見極めるのに合理的だと思われる期間を試用期間として設定します。一般的な試用期間の長さは3か月~6か月と設定されていることが多いようです。

試用期間の長さ、上限について法律などでは定められていませんが、長すぎる場合は不安定な状況に置かれる労働者にとって不利ということでよろしくないとされています。そのため、試用期間は最長でも1年以内と考えられています。

また、労働契約書や就業規則に試用期間の延長についての取り決めが定められている場合、試用期間の延長も認められています。心配な方は、内定を承諾する前までに、労働契約書や担当者に確認してみても良いかもしれません。

入社後に就業規則のチェックも忘れずに!

※延長する場合でもトータルで1年以内が妥当だと考えられています。

 

試用期間中の給与は?最低賃金以下になることも!?

企業は試用期間を研修期間や見習い期間とみなしている場合が多いため、試用期間中の給与が本採用後の給与よりも低く設定されることはよくあります。

その場合には必ず試用期間中の給与と本採用後の給与の両方の労働条件が求人広告等に記載されます。生活に直結する問題ですので必ず確認しておきましょう。

また、原則として、試用期間中であっても最低賃金以下の給与額を設定することはできません。

ただし、試用期間中は「最低賃金の減額特例」が認められることもあります。最低賃金の減額特例は会社が行政の許可を受けた場合に限りますが、そうなると試用期間中最低賃金以下の給与で働くことになり生活を圧迫してしまうこともありますので、しっかりと確認しましょう。※減額特例は最低賃金から最大20%減額した額で最大6か月

他にも、試用期間中は見習い期間だからと残業代を支払わないという企業もあるかもしれません。しかしそれは間違い!試用期間中であっても労働基準法に則り残業代は支払われます。もしそのようなことがあった場合には会社側ときちんと話し合った方が良いでしょう。

 

試用期間中の雇用保険や社会保険はどうなるの?

試用期間であっても雇用関係に変わりはありません。そのため、雇用保険や社会保険加入要件を満たしている場合には加入する義務があります。

実は会社が、試用期間中は社会保険に加入させなくても良いと勘違いしていることもあります。もし気づいた場合には速やかに雇用保険と社会保険の加入について担当者に相談しましょう。

 

試用期間中は簡単に辞めても良いの?

試用期間は、会社と従業員双方にとっての「お試し期間」という意味合いが強いものです。会社に通常より広い範囲で解雇の自由があるのと同様、従業員にとっても広い範囲の退職理由に理解を得られるかもしれません。

ただし、試用期間中の退職であっても次に転職する際に履歴書などには記載する必要があります。そのため、試用期間中でない場合と同様、短期での退職に対しあまり良い印象を持たれない可能性も出てきます。

辞める理由はそれぞれあり、さらに合わない仕事をずるずる続けるよりも早くに決断した方が建設的だという考え方もあるため一概には言えませんが、短期で仕事を辞めるリスクをきちんと理解し、次の転職活動ではしっかりと説得力のある説明を行えるように準備しておきましょう。

また、試用期間中であっても退職手続きに関するルールなどは必ず守らなければなりません。

期間の定めのない労働契約(正社員)の場合、法律上は退職する14日前までにその意思を会社に伝える必要があります。他にも、就業規則で定められている場合にはそのルールに従います。

もしもやむを得なく退職する場合は、感謝の気持ちと謝罪を忘れず、社会人として恥ずかしくない態度で臨んでください。

 


試用期間中、労働者はどうしても不安定な立場になってしまうため不利に感じてしまうかもしれません。

ただ、会社にとっても社員にとっても、実際の職場を経験してから本採用の契約を結ぶのは理にかなっていますし、試用期間の制度のおかげで面接などを短縮する企業が増えているなどのメリットを感じられることもあります。

しっかりと試用期間のことを理解し、自分にとって納得できる働き方を見つけてください。