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医療と福祉を支える「ソシオエステティシャン」とは?

2019.4.23

医療や介護の現場で活躍するエステティシャンがいることをご存知でしょうか。今回は医療や介護の現場でチームの一員としてエステティックに取り組む「ソシオエステティシャン」についてご紹介します。

ソシオエステティックとは

「socio(ソシオ)」とはフランス語で「社会・社会的な(ソサエティ)」という意味で、ソシオエステティックを直訳すると「社会的な美容行為」という意味になります。

その言葉が表すように、ソシオエステティックとは、高齢者の方や、がんなどで闘病中の方、身体に何らかの障がいのある方など、社会的、肉体的、精神的に弱い立場にある方たちに向けた、医療や福祉の知識に基づいて行う総合的なエステティックを指します。

ソシオエステティックは、施術によって困難を抱えている人を癒し、励まし、QOL(生活の質)の向上に寄与し、その人が本来の自分を取り戻すために支援することを目的としています。

裕福で健康な人々だけではなく、病気の人や心の病を抱えた人、社会的な弱者にまでエステのよろこびを伝えたいという思いからフランスで始まったソシオエステティックは、高齢化社会の進む日本でもその重要性が認識されはじめています。

2004年にはフランスのソシオエステティック養成機関「CODES(コデス)」と提携契約が結ばれた「CODES JAPON」が誕生。CODES JAPON認定資格もでき、徐々にですがソシオエステティシャンを活用する施設も増えてきています。エステティシャンのこれからの職域として注目されています。

※フランスではソシオエステティシャンの資格は国家資格にあたります。

 

ソシオエステティックの流れと施術内容

ソシオエステティックの特徴としては、ただ病院や介護施設などで利用者にエステティックを施すのではなく、医師、看護師、介護士、作業療法士、理学療法士、介護支援専門員など、医療機関や福祉施設の専門家チームと協力しながら施術を行うことが挙げられます。つまり、ソシオエステティシャンは医療や福祉のチームの一員として利用者に関わるのです。

そのため、施術の前には施設の専門職の方とカンファレンス(会議)を行って利用者の情報を受け取ってから施術に入ります。

施術内容はアロマトリートメントやフェイシャルケアなどの一般的なエステトリートメントから、ネイルケア、メイクアップ、など多岐にわたります。

病状や症状を把握し、何が必要なのかをきめ細かく観察して行われる施術では、身体的なアプローチによる肉体的な苦痛の軽減だけでなく、ささやかなおしゃれで前向きになれたり、触れ合うことやおしゃべりすることで精神の苦痛を取り除いたりと、心理的作用も重視されます。

医療や福祉の見地から時にはトリートメントを行わないという選択をすることもあるそうです。

そして施術の終了後には、カンファレンスで専門スタッフへのフィードバックをおこないます。チーム内で情報共有を行うことでより良い結果へとつなげていけるのです。

 

ソシオエステティシャンの活躍の場は?

ソシオエステティシャンは、さまざまな機関・施設で活動しています。

【医療機関】

一般病棟、がん専門病棟、緩和ケア病棟、精神科病棟、認知症病棟、リハビリテーション病棟など

【福祉施設】

介護老人保健施設、高齢者介護施設、老人ホーム、デイサービス、グループホーム、自立支援施設、救護施設など

【矯正施設】

刑務所、少年院、更生保護施設など

さまざまな困難を抱えている人を対象にしていることもあり、ソシオエステティシャンは利用者の精神的な支えとなったり、利用者と家族のような信頼関係を築いていったりということが求められます。

大変な仕事ではありますが、ソシオエステティシャンとして活躍している人の多くは、エステティックを通じて困難を抱えている利用者が精神的に安定したり、生きる気力を取り戻したり、幸福を感じたりする様子や、それを見た家族の喜ぶ様子を見て、自分の仕事に価値を見出すことができるようです。

 

ソシオエステティシャンになるには?

ソシオエステティシャンには民間の資格があります。現在は国家資格のような必須資格ではありませんが、医療や福祉に携わるソシオエステティシャンとして施設などで働くためには何らかの資格や認定が必要とされることが多いようです。

代表的な資格は「CODES JAPON認定ソシオエステティシャン資格」です。

医療や福祉の理論を幅広く学ぶ「CODES JAPON認定ソシオエステティシャン養成講座」を受講・終了することでディプロマが授与されます。

この講座は一般社団法人日本エステティック協会が主催しており、受講するには

①認定上級エステティシャン

②認定エステティシャンかつエステティックの実務経験5年以上

のいずれかの資格が必要なうえ、書類選考、論文審査、面接・技術確認による選考があります。

受講できる会場や募集人数などがまだあまり多くないようですが、現在「第11期CODES-JAPON認定ソシオエステティシャン養成講座」の募集を行っているとのことですので、興味がある方はぜひ日本エステティック協会のページをご確認ください。

ソシオエステティックについて(一般社団法人日本エステティック協会)
https://ajesthe.jp/socio/

第11期CODES-JAPON認定ソシオエステティシャン養成講座 開講のご案内(一般社団法人日本エステティック協会)
https://ajesthe.jp/info/?p=20376

 


まだまだ十分に認知されているとは言えないソシオエステティックとソシオエステティシャンですが、さまざまな困難を抱えている人が幸せに生きるお手伝いをするという社会的価値のある素晴らしい仕事だと思います。

エステティックの知識のほかにも医療系の知識や福祉に関する知識が必要なため、ソシオエステティシャンになるのは簡単ではないかもしれませんが、もしソシオエステティシャンという仕事に興味を持たれたら、ぜひ、頑張っていただけたらと思います。