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サロンワーカーのための「ムスリムフレンドリー」入門

2020.2.12

日本でも頭にヒジャブ(スカーフ)を着用したムスリムの女性を見かける機会が増えています。今日は、日本とは違う文化を持つムスリムのお客様に気持ちよくサロンをご利用いただくために、サロンワーカーとして気をつけるべきポイントを見ていきましょう。

世界最大のムスリム(イスラム教徒)人口を抱えるインドネシアやイスラム教を国教とするマレーシアなど、東南アジアからの訪日観光客が増え、日本でも頭にヒジャブ(スカーフ)を着用したムスリムの女性を見かける機会が増えています。

そんなムスリム女性の中には日本の美容やファッションに対して強い関心を持っている方も多いそう。

今日は、今後も増加が見込まれているムスリムのお客様をサロンにお迎えする時に、サロンワーカーとして気をつけるべきポイントについて見ていきましょう。

 

ムスリムの生活習慣。同じムスリムでも国や地域によって異なる

イスラム教を信仰しているムスリムの方は食事や服装、冠婚葬祭、礼拝の決まりなど、生活全般についてその規範が定められています。そのため、ムスリムのお客様をお迎えする際にはイスラームへの理解と生活習慣への配慮が求められます。

とはいえ、イスラームの教えの解釈やその実践は国や地域、家族の習慣、その時の状況(旅行中など)によって異なるため、一概にこれがダメ、これは良いとは言えないのが難しいところでもあります。

日本人特有のおもてなしとして気を利かせたつもりで先回りしてしまうと、かえって希望に添えないこともありますので、ムスリムのお客様に対してはしっかりとコミュニケーションをとって個々に対応していくことが必要になります。

 

ハラールとハラーム

飲食店などで「ハラル(ハラール)フード」という言葉を目にしたことがあると思います。これは、ムスリムの方に対応しているメニューや食品であることを示すために使われています。

そもそも「ハラール」とは、イスラームにおいて許された行為・物を意味します。また反対に、許されない行為・物は「ハラーム」と言います。

ムスリムの人は、生活全般においてハラームを避けて行動することを規範としているため、サロンにおいてもその点を配慮する必要があります。

 

代表的なハラームは豚とアルコール。コスメの原料にも注意

ムスリムが口にすることが許されないもの(ハラーム)の代表として、豚肉とアルコールがあります。

これは、豚は不浄の動物、アルコールは理性や規律を失わせるものという考えから来ているそうです。

実はアルコールに関しては寛容なイスラム教国もあるとのことですが、豚については間接的に触れることもタブーとされる場合もあるほど忌避されています。

そのため、肌からの摂取、つまりは化粧品に使われているかどうかについても気にするムスリムの方も多いとか。最近ではハラール認証がされているコスメも販売されています。

このようなことから、日本のサロンにおいても、ムスリムの方は動物性由来のコスメではなく植物性、もっと言えばオーガニックコスメを使った施術を好む傾向が高いようです。

ただし、先ほども言いましたが、イスラームの生活規範の実践はとても個人的なものに基づきます。お客様の中には、ナチュラルな施術よりも日本ならではの最先端の高機能コスメにひかれて来店される方もいるでしょう。

固定観念にとらわれるとお客様の要望からかけ離れたサービスを提供することにもなりかねませんので、しっかりとコミュニケーションをとることが大切です。

いずれにしても、サロンで使われている化粧品の成分にどのようなものが含まれているのかはしっかりと確認しておき、希望に応じて対応できるようにしておきましょう。

 

※ほかにも注意が必要なものの一例

  • 人体由来のもの
  • 遺伝子組み換え作物
  • 正しく処理されていない家畜

 

男性よりも厳しい女性の戒律。特別な配慮が必要

ムスリムの中でも女性は男性よりも厳しい戒律があることが知られています。

女性は原則として家族以外の異性に接触することと、女性の美しいところ(顔と手以外)を見せることが禁止されています。例えば髪や肌などですね。中にはお化粧も夫の前以外ではしてはいけないとされている宗派もあるそうです。

そのため、サロンの施術にあたっても特別な配慮が求められます。

特にヘアサロンなどでは男性スタッフがいるところや、外から見える場所でヒジャブを外すことはできません。

また、お釣りなどを渡す際であっても異性と接触することを嫌う人が多いようです。

もしムスリムの女性をお迎えするならば、女性スタッフのみで対応し、個室や貸し切り、もしくは外から見えない場所で対応するなどが望ましいでしょう。

 

国や文化が違っても美しくなりたい気持ちは一緒

ほかにも、

  • 1日に5度の礼拝
  • 左手よりも右手を優先する(左手は不浄のものという思想)
  • イスラム教の聖典であるクルアーン(コーラン)への敬意
  • ラマダーン(断食月)
  • 偶像崇拝の禁止

など、ムスリムの方には日本人には馴染みのない生活習慣がたくさんあります。すべてを把握するのは難しいかもしれませんが、相手が大切にしているものには敬意を払う気持ちを忘れないようにしましょう。

国や文化が違っても、女性が美しくなりたいという気持ちは変わりません。日本に旅行に来たムスリムの女性や、日本に住んでいるムスリムの女性が、安心して美容を楽しんでいただけるよう、イスラム教への理解と配慮を深めていただけたらと思います。

 


参考:ムスリム対応に関する取り組みについて(官公庁)
http://www.mlit.go.jp/kankocho/page08_000088.html