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雛祭と菱

2018.3.1

記録的な豪雪を経験したこの冬。春の到来を待ち遠しいと思う方が多かったことでしょう。3月の声を聞き、急に日差しも強さを増し、本格的な春の訪れを感じるようになりました。3月と言うと「桃の節句」、お雛祭りですね。雛人形を飾り、可愛らしい雛菓子を頂きながらの嬉しい女の子のお祭り。今回はそんな雛祭にまつわる話と、ちょっと気になる菱餅について書いてみようと思います。

「雛祭」とは…

旧暦3月の初の巳の日に行われた「上巳の節(じょうしのせつ)」が雛祭の原型だそうです。中国で古くから行われている宮中の儀式で、春の到来の喜びと無病息災を願う厄払いの行事だったそうです。

紙や草で人形を作り、その人形で体を拭いた後、その人形を川に流し、穢れを洗い流してもらうというもの。もともとは女の子のお祭りではなかったのですね。

その後、人形を飾ったり、遊んだりする「雛遊び」が、宮中の貴族の間で行われるようになり、江戸時代になると「上巳の節句」と「雛遊び」が合体して「雛祭」として、女の子の間で楽しまれるようになったとの事です。

 

「菱餅」について

お雛祭りでは雛菓子やお料理も楽しみの一つです。

雛あられや白酒、菱餅などの雛菓子、蛤の潮汁やちらし寿司などの定番料理は、彩も美しく華やいだ気分になります。

今回は「菱(ヒシ)」という植物に興味があり、「菱餅」について調べてみました。菱型だから菱餅なのか、菱(ヒシ)の葉や実の形から菱型を模したのか?3色の持つ意味は?など興味は尽きません。

菱餅の歴史はかなり古く、現在の形になる前にも様々なお供えの形があったようです。

基本は白い丸餅と小豆で色付けをした菱型のお餅を重ねていたと記録されていました。

陰陽説では男性は陽、女性は陰、男性は天 、女性は大地とされ、菱型は大地と女性の象徴とのことです。また、菱型は田を表していて、日本人にとっては命と同じくらい大切なものという意味も含まれているようです。

菱餅の定番となっている3色ですが、白は雪の大地、緑はそこから芽吹く草木、ピンクは花を象徴しているとの事。春の息吹を感じさせる3色なのですね。

また、それぞれの色には薬草の役割もあります。

緑は春の七草にも登場した「ハハコグサ(御形=ごぎょう)」を練りこんだもの。香りの強さからその後は「ヨモギ」が使われることが多くなったそうです。香りが強いので魔除けの効果があるとされています。

白は「菱(ヒシ)の粉」を練りこんだもの。菱(ヒシ)は水の底から芽を出して水面まで元気に茎を伸ばし、葉をいっぱい茂らせることから、子孫繁栄や長寿を意味しているそうです。

ピンクは「クチナシ」で色付けしたもの。魔除け、解毒、防腐効果などがあるそうです。

 

そもそも「ヒシ」とは?

ヒシは1年草の水草です。土の中に落ちた種は、水面まで茎をのばして葉を広げます。

葉は菱型で種も菱型。種や葉が菱型だから「菱」と言うのか、ヒシの種や葉の形から「菱型」という形の名前が付いたのかはわかりせんが、鶏と卵みたいで面白いですね。

ヒシの種にはでんぷんが多く含まれていて、茹でて食べると、お芋や栗のようにほくほくして美味しいそうです。

現在でも食用に使用されている地域も多いので、チャンスがあればぜひ食べてみたいと思います。

また、近年の研究ではヒシの皮の抽出物に含まれるタンニンの1種が脂肪の吸収や血圧上昇を防ぐ効果があることが発見され、その健康効果が注目を浴びているようです。

実はこの研究、現在私が教鞭をとらせていただいている西九州大学によるものということで、ご縁にちょっとビックリしています。

ヒシの実の形は心臓に似ているとか子宮に似ていると言われています。

命に直結した大切な器官ということからか、家紋のモチーフとしても多く使われています。我が家の家紋も「丸に四ツ目菱」。清和源氏の流れをくむ、佐々木家の家紋です。

かつて忍者が追手から逃れるために使った「撒菱(まきびし)」もヒシですね。

 


私たちの暮らしと深く関わってきたヒシという植物ですが、これまであまり馴染みが無かったように思います。

菱餅の効用からヒシという植物を再確認できたことは、今年の一つの収穫でした。

日本人と植物との関係は知れば知るほど面白いですね。