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短歌にみる植物物語 ~6月 蓮(はす)~

2019.6.3

短歌の中に登場する植物にスポットを当てる「短歌にみる植物物語」。今月は蓮(はす)。平安時代に詠まれた和歌と、蓮についてご紹介します。

蓮葉の にごりに染まぬ 心もて なにかは露を 玉とあざむく -僧正遍照

(「古今和歌集」巻第三 夏歌)

【読み】
はちすばの にごりにしまぬ こころもて なにかはつゆを たまとあざむく

 

【訳】
蓮の葉は、濁った水の中でも、濁らない美しさをもっているのに、なぜか葉の上の露を宝石のように見せて、人をあざむく。

 

法華経の

「世間の法に染まざること蓮華の水に在るが如し」(世間の穢れに染まらないことは、蓮華が泥水の中にあっても染まらないのと同じである)

を引用した僧侶らしい歌ですね。

解釈の「露を玉と見せて人をあざむいている」でとどまらず、露を宝に変えてしまうほどの美しさがあると読み解く方が素敵だなぁと個人的には思っています。

作者の思いはどうだったのでしょう。世の中や人の裏表を表したかったのか、真の美しさは全ての現象を輝かせると表したかったのか…

これもまた受け取った私たちの解釈次第ということなのかもしれませんね。

 

僧正遍照とは

作者の僧正遍照(816年~890年)は、平安時代前期の歌人で、紀貫之が選んだ六歌仙、藤原公任の選んだ三十六歌仙の一人でもある有名な方です。

桓武天皇の孫ですが皇位継承権は無かったのでしょう。後に仁明天皇に仕え、天皇崩御の850年に出家して天台宗の僧侶となりました。

今回ご紹介した歌は僧侶らしく法華経の言葉を引用していますが、歌の中には僧侶らしくないものも多かったようです。

百人一首に収められている有名な歌はこちらです。

天つ風 雲のかよひ路 吹きとぢよ 乙女の姿 しばしとどめむ

 

蓮(ハス)について

インド原産で、熱帯地域や温帯地域に育つハス科の多年草水生植物です。

日本での古い名前は「はちす」です。茎が厚くなってそこから花が育つ花托の部分がハチの巣に似ていることから、その名前が付けられたそうです。

葉の表面は撥水性があるので、露をコロコロと落とします。キラキラと光りを反射して動く様子は宝石のようです。

花は蓮華と呼ばれ、ヒンドゥー教や仏教や密教では大変意味のあるものとされています。

日本ではお釈迦様が蓮華の台座に座っていることで知られていますよね。

 

蓮の利用法

蓮は全ての部分が食用や薬用として利用されます。

実は生でも食べることができ、生のトウモロコシのような触感だそうです。

ビタミン、カリウム、カルシウムが豊富で滋養強壮に役立つそうです。

種子のでんぷん質はお菓子や、生薬として利用され、こちらも鎮静や滋養強壮作用があるそうです。

花や葉はお茶にして楽しみます。

蓮は、中国やベトナムでは普段から食用として盛んに利用されていて、日本でも秋田地方では蓮の茎を砂糖漬けにして食べる習慣があるそうです。きっと他の地域でも蓮の利用法は色々とあるのでしょう。

日本で最も馴染みのあるのは根の「蓮根(れんこん)」でしょう。

蓮根には、美肌に必要なビタミンC、ナトリウムを尿に排泄し血圧を下げるカリウム、胃を保護する食物繊維ムチンなどが豊富に含まれています。

そして、何といっても食感が良く美味しいですよね。様々な味に馴染むので和食洋食中華とどのお料理にも使えます。

 

蓮の精油 ロータス

蓮の花の精油は、とても芳醇な香りがします。

ホワイトロータスとピンクロータスの香りを試したことがあるのですが、優しく包まれるような香りでありながら、奥深い生命力も感じました。

体への効果として、頭痛や吐き気の緩和、高血圧の抑制などが報告されています。

また、肌に潤いを与えて乾燥肌に効果があることから化粧品にも添加されているようです。

個人的には、ご自分のための香水やお部屋の香りなどに利用されると良いのではないかと思っています。

 


今回は、蓮について色々と調べてみました。

宗教的な逸話や生薬としての様々な利用法を知ることができ、ここにはとても書ききれないくらいたくさんの情報を得ることができました。

梅雨に入り、アウトドアを楽しめない日には、ゆっくりロータスの香りを楽しみながら、蓮の物語や効果を調べてみてはいかがでしょう。きっと豊かな時間になると思います。