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健康は美腸から。知っておきたい腸内バランスとその整え方

2022.2.24

カラーリスト兼シャンプーソムリエの西田です。

みなさまの美に少しでも繋がればいいなと思い記事を書かせていただきます。

最近ではよく耳にする腸活。日々意識して生活をしている方も多いのではないでしょうか。

なぜ腸なの?という方もおられるかと思いますが、私たちの健康は腸に支配されていると言っても過言ではありません。

女性 お腹

腸は健康状態と密接に関わる「第二の脳」

「健康は腸から」というワードは耳にしたことがある方が多いと思いますが、腸には全身の免疫細胞の70%が集まっており、腸は脳のストレスを反映したり、腸のストレスが脳に反映されることから「第2の脳」とも言われ、私たちの健康状態と密接な関わりを持っています。

また、人の体内や皮膚には多くの細菌が存在しており、口腔内100億個、皮膚1兆個、胃1万個、小腸1兆個、泌尿器生殖器は1兆個にも及ぶと言われていますが、中でも腸内フローラ※を形成する腸内細菌は、100兆個以上もの数が存在しており、その種類は1,000〜30,000種類にも及ぶと言われています。

※腸内フローラ(腸内細菌叢)とは……腸内に棲んでいる細菌は、菌種ごとに腸の壁に隙間なくびっしりと張り付いており、その姿が品種ごとに咲くお花畑(flora)にみえることから「腸内フローラ」と呼ばれています。

良好な健康状態を生み出す腸内細菌のバランス

この腸内細菌ですが、大きく分けると「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」の3つに分類され、この3種類のバランスにより腸内環境が変化し、体調が良かったり悪かったりと、私たちの体調を左右する重要な役割を果たしています。

これらの細菌は、日々の食事から得られる栄養素や、体からの分泌物、腸の壁からはがれ落ちた細胞などを元に増殖します。どうしても善玉菌と聞くと、「多い方がよいのでは?」、悪玉菌と言うと「存在しちゃいけないんじゃない?」と思いがちですが、腸内にそれぞれの菌がバランスよく存在することが腸内環境を整える上で重要なポイントの一つとなります。

そして、この腸内細菌のバランスを整えるためには、日々の生活習慣が大きく関わってきます。ストレスや睡眠不足、運動不足などもその要因としてあげられますが、やはり大きな影響を与えるのは食事。毎日の食習慣を改めて見直すことで腸内環境が整い、健康的な体に近づくというわけです。

それでは、ここからはそのバランスが重要という、3つの細菌「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」について詳しく見ていきましょう。

体に良い働きをしてくれる「善玉菌」

善玉菌

人にとって有益といわれる善玉菌ですが、その働きはビタミンの合成・食物の消化吸収の補助や感染防御、そして免疫刺激など健康維持や老化防止などと関係があります。

代表的な善玉菌には「ビフィズス菌」「乳酸菌」などがあり、健康的な腸内はこの善玉菌が優勢であり、逆に肥満や大腸がん、腸以外の疾患である糖尿病や動脈硬化症などを患っていると場合、善玉菌が少なくなっているという傾向があるそうです。

この善玉菌は腸内で常に悪玉菌と勢力争いをしており、善玉菌は乳酸や酢酸などを作り、腸内を酸性にすることによって、悪玉菌の増殖を抑えて腸の運動を活発にし、食中毒菌や病原菌による感染の予防や、発がん性をもつ腐敗産物の産生を抑制する腸内環境を作ろうとしています。

善玉菌の増やし方

では、その善玉菌を増やすにはどうしたらよいのでしょうか?

善玉菌の増やし方としては、大きく分けて2つ。
一つ目は、CMなどでもよく耳にしますが、生きた善玉菌(プロバイオティクス)をそのまま摂取する方法。ビフィズス菌や乳酸菌などを含む食品を摂るのが一般的ですが、これらの菌は腸内に一時的には存在しますが、定着するものではないので、常に補充することが求められます。

二つ目は、もともと腸内に存在する善玉菌を増やすための善玉菌のエサ(プレバイオティクス)を摂る方法。野菜類や豆類などに多く含まれており、オリゴ糖なんかも有名ですね。

代表的な善玉菌を含む食品(プロバイオティクス)

ヨーグルト、納豆、ぬか漬け、キムチ、みそ、チーズなどの発酵食品

代表的な善玉菌のエサとなる食品(プレバイオティクス)

ごぼう、ブロッコリー、ニンニク、こんにゃくなどの野菜類や、海藻、果物などに含まれる食物繊維やオリゴ糖などがあげられます。

これらの食品をバランスよく摂取することで善玉菌が優勢な腸内環境をつくりたいところですが、一気に摂りすぎるとおなかがゆるくなったり、逆にガスが貯まったりすることがあります。市販の特定保健用食品などには一日の推奨摂取量が記載されているので、少しずつ量を調整しながら、自分に合った量を摂取するように心がけましょう。

ちなみに、食物繊維については水に溶ける「水溶性食物繊維」と水に溶けない「不溶性食物繊維」があるのはご存じでしょうか?どちらも便通改善などの効果に期待が持てるのですが、「水溶性食物繊維」の方が善玉菌のエサになりやすいということは覚えておきましょう。便をやわらかくしたい場合は「水溶性食物繊維」、便の量を増やすことで腸を動かしたい場合は「不溶性食物繊維」が効果的です。

体にとって有害な「悪玉菌」

悪玉菌

人にとって有害な悪玉菌は、腸内腐敗、細菌毒素の発生、発がん物質の発生、ガス発生などに関係し、代表的な悪玉菌に「大腸菌(有毒株)」「ウェルシュ菌」「ブドウ球菌」などが存在します。

悪玉菌が増えるとどうなる?

腸内が悪玉菌に支配されると便通異常や肌荒れのほか、腸の消化・吸収機能が低下し、せっかく摂った栄養分が体に行き渡らなくなるので注意が必要です。

悪玉菌が増える原因とは

悪玉菌が増えてしまう原因としては、動物性たんぱく質や脂質の摂取過多、喫煙、睡眠不足、飲酒、運動不足、ストレスなどによるとされています。なので、便やおならが臭い、便が黒っぽいという人は、腸内細菌が悪玉菌に偏っているかもしれません。

また、善玉菌を増やして体にいいと言われている発酵食品や海藻でも、そればかりを摂るというような偏った食生活をしてしまうと、腸内細菌の多様性のバランスが崩れてしまうので注意が必要です。

優位な方の味方をする「日和見菌」

日和見菌

腸内細菌の理想的なバランスは、善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7といわれています。中でも、腸内細菌の約70%を占める日和見菌ですが、代表的な菌に「バクテロイデス」「連鎖球菌」「大腸菌(無毒株)」が存在します。

この日和見菌は腸内で善玉菌が優勢な状態であれば善玉菌につき、腸内で発酵活動を行います。一方で、腸内で悪玉菌が優勢となれば悪玉菌になびいてしまい、腐敗活動を行います。

なので、腸内を酸性に保つためには、腸内環境のバランスを理想な状態に保ち、日和見菌を善玉菌の味方につける事が大切になってきます。

このように、私たちの腸では毎日のように善玉菌と悪玉菌の縄張り争いが起こっています。腸内環境は食べたものに大きく左右されるので、栄養バランスのとれた食事を意識しましょう。

栄養バランスを整えて「腸内デトックス」を心がけよう

腸内細菌のバランスを整えた後は、腸内に溜まった不要なものを排出する腸内デトックスについてご紹介します。

腸内デトックスと検索すると、腸活やファスティング、腸内洗浄など、様々な記事が出てきますが、身体にとって有害とされるミネラルの一部 (有害重金属)などの老廃物を排除することで腸をきれいな状態(健康的な状態)にしてあげること。

一般的にデトックスとは体内に溜まった老廃物や毒素を体外へ排出させることで、汗をかく、リンパの流れを良くする、尿を排泄する、などが代表的な方法としてあげられますよね。それと同様に余計なものを排除して、腸が働きやすい環境を作りましょう。

デトックスしたい有害重金属とは

体にとってうれしくない有害重金属は水道水や加工食品、魚や食品容器などから微量ずつ体内に入り腸に蓄積されていくと言われていますが、それにより、便秘や肌トラブル、代謝の低下など、身体にとって様々な悪影響を及ぼし、健康を阻害する要因となります。

代表的な有害重金属:

  • 水銀
  • ヒ素
  • アルミニウム
  • カドミウム 等

有害重金属を排出するためには

最近の研究で、有害重金属を体外へ排出できる栄養素が発見されました。そのうち、ケイ素はアルミニウム・鉛、αリポ酸ではカドミウムを体外へ排出をすることが出来るといわれてます。

その他、先にあげた食物繊維やビタミンC、B1なども有害重金属を排出するお手伝いをしてくれます。

様々なクリニックで、これらの有害重金属を排出するキレーション療法というものもありますが、日頃の食事で摂る栄養素を意識するだけでも、これらの有害重金属がある程度排出され、腸内環境はかなり健康状態に近付くと考えられます。

見落としがちな体の不調を改善するために、食事における栄養素を意識することで腸内に溜まった様々な有害物質や老廃物を体外に排出する腸内デトックスを意識してみるもの良いかもしれません。

いかがでしたか?

腸は私たちの健康に深い関係があります。みなさまも毎日の食事を気をつけることで腸内細菌のバランスを整えたり、腸内デトックスを心がけてみてはいかがでしょうか。

美腸を目指し、健康で素敵な日々をお過ごしください。

シャンプーソムリエアカデミー認定講師
西田伸也

万国吃驚堂
カラーリスト兼シャンプーソムリエ

この記事を書いたコンシェルジュ

一般社団法人シャンプーソムリエ協会

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