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花祭りと甘茶

2018.3.29

4月8日にお釈迦様の誕生日を祝い執り行われる「花祭り」という行事を知っていますか?古くからある春の年中行事の一つですが、具体的にはよく知らないという人も多いのではないでしょうか?今月はそんな「花祭り」の事、花祭りには欠かせない「甘茶」について書いてみようと思います。

新年度に入り、進学、進級、就職、転職など、新しい環境に踏み出された方も多いと思います。

バタバタとした忙しさから、日本の伝統的な行事もついうっかり忘れてしまいがちな時期ですが、4月8日の「花祭り」はご存じでしょうか?

「何それ?」という声も聞こえてきそうですね。

お釈迦様の誕生日を祝うお祭りです。キリストの誕生日は盛大に祝うのに、こちらはジミですよね。ご存じない方も多いのではないでしょうか。

今月はそんな「花祭り」の事、花祭りには欠かせない「甘茶」について書いてみようと思います。

「花祭り」と言えば「甘茶」と「白い像」

仏教の開祖であるお釈迦様は、今から約2500年前インドで生まれました。

シャーキャ族の王子だったことから、日本では釈迦(シャカ)と言われるようになったそうです。

生まれてすぐに7歩歩いて、右手は天を左手は地を指して「天上天下唯我独尊」と言ったという話は有名ですよね。

この「天上天下唯我独尊」にも解釈が二通りあって、「この世に私(釈迦)は唯一無二の存在である」とする説と、「この世に人(私もあなたも)は唯一無二の存在である」とする説があるそうです。後者の方が素敵だなぁと思うのは私だけでしょうか。

「花祭り」と言えば「甘茶」と「白い像」が象徴とされています。

それぞれのいわれを調べてみました。

・白い象

お釈迦様の母マーヤー王妃が、6本の牙を持つ白い象がわき腹から体内に入る夢をみた翌日、お釈迦様を妊娠した(そういう言い方で良いのかはわかりませんが…)ということから、お釈迦様が白い象になって胎内に入ったとされ、白い象は神聖なものとされたそうです。

キリスト教でいう受胎告知ですね。マーヤーという名前がマリアに似ているのも不思議です。すべての宗教のルーツは1つだった!などということがあるのかもしれませんね。

・甘茶

お釈迦様が誕生した時に、九つの頭を持つ龍が現れ、甘露の雨を降らせて産湯を満たしたという言い伝えから、甘いお茶を幼い日の釈迦を表した像にかける風習へと変化していったとの事です。

江戸時代までは五香水と言われる香水(こうずい)をかけていたそうですが、その後甘茶を甘露に見立てるようになっていったとされています。

仏教用語で「花祭り」を「灌仏会(かんぶつえ)」と言いますが、「灌仏」は香りのある水を仏像にかけることを意味しているので、その名称がついたのですね。

花まつりの象徴。甘茶とは?

幼い頃、お寺の幼稚園に通っていたので、花祭りにはいつも甘茶を仏像にかけていました。

その頃は、麦茶にお砂糖を入れているのだと思っていたのですが(そんな味だったように記憶しています)、甘茶(アマチャ)は全く違う植物でした。

アマチャの学名はHydrangea macrophylla var. thunbergii。アジサイ科の低木で、5月から6月にガクアジサイに似た可憐な花を咲かせます。

甘茶はアマチャの葉を揉んで数日乾燥させ、水を噴霧して発酵させたものです。発酵させることで甘味が出るので、乾燥茶葉は苦いそうです。

アマチャの甘味は砂糖の1000倍とも言われています。本当に甘い!

甘茶の説明書に、「急須にティースプーン1杯を入れてお湯を注いで1分、又は500mlのお湯に2.5g入れて5分間煮出す。」とあったのでやってみたのですが、どちらもすごく甘くて飲みづらかったので、私は1Lのお湯を沸かし2gの茶葉を入れて、煮出さずに5分~10分置いておいたところ、ほんのり甘くて美味しいお茶になりました。

濃すぎるとお腹を壊すことがあるようなので、気を付けてください。

甘茶の効果

アマチャは日本特有の植物なので、生薬名はありません。

生薬としては、粉末やエキスとして使われ、抗腫瘍作用、抗アレルギー作用、抗菌作用に用いられています。民間療法では、糖尿病患者の甘味代用や、消化器系の不調、利尿、口臭除去にお茶として利用されています。

殺菌作用や防虫作用、抗アレルギー作用、美肌作用などもあるので、家庭でも植物療法(フィトセラピー)として活用できますね。

殺菌作用:口腔内を清浄する働きがあるため、歯周病や口臭予防に効果があります。

防虫作用:かつては甘茶を墨に混ぜておまじないの言葉を書いて柱に張ったりしたそうです。防虫スプレーにしてお部屋に噴霧してもよさそうです。

抗アレルギー作用:花粉症やアトピー性皮膚炎に効果があるそうです。

美肌作用:保湿、消炎、柔軟効果があるので、化粧品の材料をしても使われています。

甘茶のお風呂(甘茶湯)

10g程度の茶葉を2~3分煮だしてお風呂に入れます。

皮膚の炎症を鎮めてしっとりとさせます。

花祭りに飲んだ後は、日頃の美容と健康のために甘茶を活用してみてはいかがでしょうか。

この記事を書いたコンシェルジュ

佐佐木景子/アロマプロデューサー