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日本の薬湯十二ヵ月 ー11月 みかん湯ー

2017.11.1

季節に合ったさまざまな薬湯をご紹介するシリーズ「日本の薬湯十二ヵ月」。11月の薬湯はみかん湯です。冬の家庭には欠かせないみかん。美味しくて健康にも美肌にも効果的な果物ですが、果実を食べた後の果皮も無駄なく活用して、心身の健康に役立ててください。みかんの香りによるリラックス効果も期待できますよ!

10月の半ばでも、すでに12月の寒さの東京地方です。

早くも、コタツとみかんが恋しい季節となってしまいました。

冬の家庭には欠かせないみかん。美味しくて健康にも美肌にも効果的な果物ですが、果実を食べた後の果皮も無駄なく活用して、心身の健康に役立ててください。

今月は、生薬としての効果もあるみかんの薬湯をご紹介します。

みかんの特徴と歴史

みかんはミカン科ミカン属の常緑小低木の植物。たくさんの種類がありますが、一般的には春に花をつけて冬に入る10月から12月頃が果実の収穫期になります。

原産地はタイやミャンマーあたりらしいのですが、最初に栽培を行ったのは中国だそうです。約4000年前の栽培史に、柑、橘、橙の育て方が詳細に書かれているというのですから驚きです。

日本では古事記や日本書紀に、「不老長寿の果物として中国から持ち帰った橘」との記載があるそうです。かつては、一般庶民が食べられる果物ではなかったようです。

現在、日本で食べられている最もポピュラーなみかんは温州みかんですが、400年程前に中国から伝来した柑橘系の種から、偶然に育った日本固有の品種なのだそうです。

みかんの生薬としての効果

温州みかんの皮を乾燥させたものが生薬として使われる陳皮(チンピ)です。

陳皮は健胃作用、風邪予防などの効果があり冬に役立つ生薬です。

また、みかんの香り成分も多く含んでいるので、リラックス効果も期待できます。

みかんの皮・陳皮の効果

みかんの皮(陳皮)には

  • 血行を促進して体を温める
  • 美肌効果
  • 胃腸や肝臓などの消化器系の働きを促進する
  • 咳を鎮め、痰の切れをよくする
  • むくみの改善に役立つ

など、たくさんの健康効果があり、他の生薬と合わせてそれぞれの不調に役立てられています。

みかん湯の作り方

みかんの皮5~6個分を1回のお風呂に使います。

  1. 果実を美味しく頂いた後の果皮をちぎって乾燥させます。
  2. カリカリになるまで乾燥させたものを、ガーゼなどの布に包んでそのままお風呂に入れます。

生の果皮でもみかん湯を作ることは出来ますが、果皮に含まれる成分に皮膚刺激があったり、日光に当たると皮膚の色を黒ずませたりする作用がありますので、生の果皮を使用する場合には必ず最後はお湯で流して、その後すぐに日光に当たることは避けてください。

乾燥させた果皮でしたら大丈夫です。

また、一般に売っているものはワックスや農薬が果皮に残っている場合があります。完全無農薬のみかんを使うか、果皮を洗ってから乾かすようにしてください。

みかん薬湯の効果

みかんの薬湯には以下のような効果が期待されます。

  • 体を温める。保温効果が長く続きますので、冷え性の方におすすめです。
  • シミ・シワの予防など、美肌美白効果があります。
  • 体臭の予防や解消に役立ちます。
  • 代謝を促進します。
  • 風邪の予防に役立ちます。
  • リウマチや神経痛の痛みの緩和に役立ちます。
  • 香りによるリラックス効果があります。

寒い夜はみかん湯に入って、優しい香りに包まれてゆっくりと温まってください。

お肌は美しく、心も体も健康になりますよ。

そして、みかんの皮には汚れを落とす効果もありますので、お風呂場の鏡や浴槽もついでに磨いてみてはいかがでしょう。

一挙両得ですね。

この記事を書いたコンシェルジュ

佐佐木景子/アロマプロデューサー