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日本の薬湯十二ヵ月 ー12月 ゆず湯ー

2017.12.1

1年間続けた「日本の薬湯十二ヵ月」も最後の月となりました。12月の薬湯は「ゆず湯」です。「菖蒲湯」と共に、今でも習慣として冬至にゆず湯に入る方は多いと思います。私たちには馴染みのある薬湯ですよね。ゆず湯の意味や入り方、その効果などをご紹介します。

1年間続けた「日本の薬湯十二ヵ月」も最後の月となりました。12月の薬湯はゆず湯です。

冬至になるとゆず湯に入る習慣がある方も多いのではないでしょうか?

そんなゆずの薬湯について、その作り方や入り方、効果などをご紹介します。

ゆずの特徴と歴史

ゆずは、ミカン科ミカン属常緑低木で、初夏に白い花を咲かせ、冬に実がなります。

「桃栗三年柿八年、柚の大馬鹿十八年」と言われて、果実がなるまでにとても時間がかかりますが、寒い地域でも実をつけ育つことから「橙(=代々)栄える」運気のいい植物として庭木にも使われることが多いそうです。

中国の長江上流が原産で、日本には飛鳥時代から奈良時代に渡来したとのことで、果皮の香気を利用して薬味などに使われていたそうです。

ゆず湯の歴史と効果

植物としての歴史は古いのですが、「ゆず湯」が行われるようになったのは江戸時代からです。

冬至は、皆さんもご存じのように昼の時間が1年で一番短く夜が長い日です。

この日を境に日照時間が長くなっていくことから、陽の生まれる日「一陽来復(いちようらいふく)」として縁起の良い日とされています。

「冬至(=湯治)にゆず湯に入り融通(=ゆず)をきかせられるようになる」という江戸庶民特有の洒落から生まれたのが「ゆず湯」です。

ゆずの香気は邪気を払い無病息災をもたらす効果があるとされ、今日に至るまで多くの人々に親しまれる習慣になったのですね。

ゆず湯の作り方

①ゆずをそのままお風呂に入れる

もっとも簡単な方法は、ゆずをそのままお風呂に入れる方法です。

子供の頃、プカプカ浮いたゆずで遊びながらお風呂に入ったのを思い出します。(実をグチャグチャにして叱られたことも…)

一般に売られているゆずには、ワックスや農薬が果皮に残っている場合がありますので、洗ってから使うようにしてください。

②ゆずの果皮に切り込みを入れる

そのまま入れるだけでは、たくさんゆずを入れないと香りがあまり立たないと感じる時には、果皮に少し切り込みを入れると香りが強くなります。

③切って入れる

ゆずを輪切りにしたり、半分に切ったりしてネットに入れて使用することもできます。

ただし、ゆずのような柑橘系には皮膚を刺激する効果がありますので気をつけてください。特にご高齢で皮膚が乾燥している方やお子様には刺激が強い場合があります。

ゆず湯で皮膚がピリピリした場合は、すぐに洗い流してください。

また、ゆず湯の後すぐに紫外線を浴びると皮膚に炎症が起きることがありますので、夜に入るようにしてください。

ゆず湯の具体的な効果

ゆず湯には以下のような効果が期待されます。

  • 保温効果が長く続きます。
  • 風邪の予防に役立ちます。
  • ゆず湯にはビタミンCやクエン酸が含まれているので美肌効果が期待できます。
  • 代謝を促進します。
  • リウマチや神経痛の痛みの緩和に役立ちます。
  • ゆずの香りによるリラックス効果があります。

2017年の冬至は12月22日です。

新しい陽の気が生まれる節目の日を前に、ゆずの香気で邪気を払い、1年間の家族の無病息災を願いながら「ゆず湯」を楽しんでください。

意味やいわれを話しながら家族との時間を過ごしたり、自分自身の1年間を振り返りこれからの1年に思いを馳せたり、優しい香りに包まれながらリラックスタイムを過ごしていただきたいと思います。

これからも日々の生活を植物と共に過ごす植物療法(フィトセラピー)を、健康と幸せのために役立てて欲しいと願っています。

この記事を書いたコンシェルジュ

佐佐木景子/アロマプロデューサー