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キャリアオイルの選び方、使い方

2017.1.19

最近はご自宅でアロマテラピーやアロマバスなどを楽しむ人が増えていますが、アロマの基本「キャリアオイル」とはどんなものなのか正しく理解していますか?今日はサロンでも使われる代表的なキャリアオイルの種類と選び方をご紹介します。それぞれの特徴、効果、使い方などを知ってセルフケアにお役立てください。

キャリアオイル(植物油)とは?

アロマテラピーというと、どうしてもアロマオイルや精油(エッセンシャルオイル)という「香り」に注目がいきます。そして選び方もその香りによる作用や働きを重視して選ぶことが多いですね。

もちろん、お好きな香りや作用で選び香りを楽しむのは良いですが、アロマトリートメント(タッチング)の時には、その精油は直接肌につけることができないというのはご存知でしょうか?

精油(エッセンシャルオイル)とは、植物の花・葉・果皮・樹皮などから抽出した天然の素材で有効成分を高濃度に含有した揮発性の芳香物質です。

つまり、瓶に入っている精油(エッセンシャルオイル)は高濃度で直接肌に付けると赤くなったり、ただれたりする可能性があるのです。

ですから、芳香器には直接使うことができる精油でも、肌につけたいと思われた場合、キャリアオイルや植物油といわれているものに入れて希釈して使う必要があります。

キャリアオイルは、精油(エッセンシャルオイル)を薄める働きと精油を含む有効成分を体内に運ぶ役割があり、そこから「キャリア=運ぶ」と名付けられたといわれています。

キャリアオイル(植物油)は、精油(エッセンシャルオイル)とは違い直接肌につけることができます。

また、キャリアオイル(植物油)にはたくさんの種類があります。エッセンシャルオイル 精油)を選んで香りを楽しむように、肌に直接付けることができるキャリア オイル(植物油)も選ぶ楽しさがあります。
次の章ではキャリアオイル(植物油)の種類と選び方をお伝えしていきます。

キャリアオイル(植物油)を使う前にまず最初に注意すること

お肌の状態は人それぞれ異なるので、初めてキャリアオイル(植物油)を選ぶ場合は、自分自身の肌質やアレルギーの有無など、わかる範囲で確認しておくと安心です。

例えば、ナッツアレルギーをお持ちの方は、場合によってはマカデミアナッツオイルを避けた方が良いかもしれません。必ずアレルギー反応が出るかどうかはわかりませんが、わざわざ不安材料があるものを選ぶ必要もありません。

キャリアオイル(植物油)の種類と選び方

キャリア オイルには、 精油(エッセンシャルオイル)と同様にさまざまな種類があります。今回は主な5種類の キャリアオイル(植物油)をご紹介します。

また、どのキャリアオイル(植物油)が自分には合っているのか、またどのような違いがありどのように使い分けたら良いのかなど、選び方のポイントもご説明します。

スイートアーモンドオイル

扱いやすく使い心地も◯、すべての肌質に合うことから、初めてキャリアオイル(植物油)を使う方に人気なのが、こちらのスイートアーモンドオイルです。

多くのアロマトリートメントサロンでも使われています。

比較的酸化しにくく、ほとんど無臭です。色は無色~淡黄色です。

<選び方・使い方のヒント>

かゆみや炎症のある肌におすすめです。古くから化粧品の材料として使われています。そのため、顔にも身体にも使うことができます。

ただし、スイートアーモンドオイルを塗った肌を拭いたタオルは、しっかりと洗いましょう。比較的酸化しにくいオイルではあるものの、経験上、時間が経つとタオルから酸化臭がする可能性があります。しっかりと洗って、タオルは天日干し・室内干しをしてください。

※オイルの拭取りに使ったタオルは、乾燥機に絶対に入れないでください。出火の原因になります。

マカデミアナッツオイル

マカデミアナッツの堅果から抽出されるこちらのキャリアオイル(植物油)は、酸化しにくく、香りも無臭~わずか。色は無色~淡黄色です。

人の皮脂、特に若い人の皮脂に多いパルミトレイン酸という脂肪酸を多く含みます。

皮膚への浸透性が高く、「消えてなくなるオイル」といわれるくらい肌なじみの良いキャリアオイル(植物油)です。

<選び方・使い方のヒント>

酸化しにくく保存性の良いキャリア オイルで、特に老化肌や乾燥肌に向きます。

顔にも身体にも使うことができます。

オリーブ オイル

少し前に流行りましたのでご存知の方も多いかもしれませんね。食だけでなく、古くから美容にも使われていたとされています。

オリーブオイルはオリーブの果肉から抽出します。色は淡黄色~緑色で、独特の香りがあります。

粘性が強く少し重ためのテクスチャーの キャリアオイル(植物油)です。保湿性が高く肌への浸透性が早いです。

ビタミンEを含むため酸化しにくいです。

<選び方・使い方のヒント>

前述のように少し重たいので、やや滑りが悪いです。そのため、単品で使用するよりも他のキャリアオイル(植物油)とブレンドして使う方が使いやすいと思います。

揉み出しを行う場合や、結構お肌をしっとりさせたい場合におすすめです。

グレープシードオイル

上記のオリーブオイルと反対に、とても軽くサラッとした使い心地でのびがよく、滑らかなキャリアオイル(植物油)がこちらのグレープシードオイル。

ブドウの種子から抽出されます。色は無色~緑色で、わずかに香りがあります。

<選び方・使い方のヒント>

その使い心地からオイルケアに慣れていない場合に好んで使われる方が多いです。

また、暑い夏に、汗やオイルのベタつきが気になるときに、軽くてサラッとした使い心地のよさからこのキャリアオイル(植物油)を選ぶ方もいます。

ただし、酸化が早いので開けたらすぐに使い切れるよう、一度にあまり大容量で買わない方が良いでしょう。

ホホバオイル

ホホバオイルとはいうものの、分類としては植物ロウに該当します。見た目、テクスチャーはキャリアオイル(植物油)とほぼ同じです。こちらもアロマトリートメントサロンではよく使用されているキャリア オイル(植物油)です。

非常に酸化しにくいため保存性の高いキャリアオイルです。

<選び方・使い方のヒント>

顔にも身体にも使うことができます。

保湿性が高く、浸透性も良くべたつきません。すべての肌質に合い乾燥肌や脂性肌にもよく、ヘアケアにも効果があるとされていますが、まれに人によってアレルギーを起こすことも。

 ホホバオイルは、低温で固まるという特徴があります。大体、室温が10℃以下になると白っぽくなり凝固します。そのため、冷蔵庫での保管はしません。

冬場、固まってしまった場合は、少量であれば瓶ごと手で握って温めると徐々に溶けて、もとのホホバオイルの状態に戻ります。あるいは、温かい部屋に置いておくか、ぬるめのお湯を洗面器に張り、そこへ蓋を閉めた状態で(もしくは開いていても倒れてしまわないように)瓶ごとしばらく浸しておくと、徐々に液体に戻ります。

また、未精製のホホバオイルはゴールデンホホバとも呼ばれ、オイルの色は黄色く栄養価も高いですが、アレルギーを起こすことがあります。

精製されたホホバオイルは限りなく無色に近く未精製のものよりも栄養価は下がりますが、アレルギー反応が出にくいです。

希望や状態に合わせて使い分けたり、自分の肌質に合ったものを選ぶと良いでしょう。

テクスチャーや肌なじみ以外でのキャリアオイル(植物油)の選び方

キャリアオイル(植物油)の肌なじみの感覚やテクスチャーの違いで選ぶ以外で、キャリアオイル(植物油)を選ぶ方法をあげるとしたら、自分の肌質に合うかどうか・使用する季節使用感の好みをあげることができます。

例えば、汗をかきやすかったり、オイル塗布後の仕上がりに好みがある場合は、季節や使用感、塗布後の仕上がり、部位によって変えてみても良いでしょう。

乾燥しやすい肘や膝、かかとなどはしっとりするスイートアーモンドオイルやオリーブオイルなどを使用し、お顔やデコルテなどはサラッとした仕上がりのマカデミアナッツオイルやスクワランを使用します。またヘアケアにはホホバを使う、など工夫すると、キャリアオイル(植物油)を使ったケアが楽しくなってきます。

また、季節によって変えたり、朝晩で変えてみたり、女性特有のホルモンバランスの揺らぎによる肌の変化で、変えていくというのも良いと思います。

ただ、気をつけることは、肌の揺らぎがあるときに急にキャリアオイル(植物油)を変えると、返って悪化してしまうことがあります。キャリアオイル(植物油)を色々と試すときは、肌の揺らぎのないときに行い、その使用感や仕上がりについて忘れないようにメモを残しておくようにしましょう。

秋・冬におすすめのキャリアオイル(植物油)3選


秋・冬シーズンに向けて、乾燥対策におすすめのキャリアオイル(植物油)を3つご紹介します。

バオバブシードオイル

<全身のトリートメントに>

肌なじみの良いオレイン酸と抗酸化力のビタミンEを多く含んでいるので、

保湿や肌のターンオーバーを助けてくれるためアンチエイジングによいオイルです。

保湿力が高いですが、べたつかず使用しやすいため、お肌はもちろんヘアオイルとしても使い勝手が良いです。

◇おすすめのスキンタイプ◇

【乾燥肌に】

マカダミアオイル

<フェイシャルトリートメントに>

浸透性が良く、ヒトの皮脂成分であるパルミトレイン酸が豊富です。年齢を重ねると少なくなるので、大人の肌のスキンケアにおすすめのオイルです。

◇おすすめのスキンタイプ◇

【大人肌に】

アルガンオイル

<スペシャルなケアに>

オレイン酸とビタミンEを豊富に含んでおり、大人肌のエイジングケアにおすすめです。

化粧水後の美容オイルや洗顔後のオイルパック、小じわや目元口元のハリの部分使いなどがお勧めです。

◇おすすめのスキンタイプ◇

【大人肌に】

キャリアオイル(植物油)をセルフケアに使ってみよう

自分に合った キャリアオイル(植物油)が見つかったら、実際に使ってみましょう。

キャリアオイル(植物油)だけでセルフマッサージをすることもできますが、せっかくなので好きな精油をブレンドしてみましょう。

精油の選び方はまた別の機会でお話しますが、禁忌をよく確認した上で自分が心地よいと思える香りを選べば間違いはありません。

ただし、 精油(エッセンシャルオイル)をキャリアオイル(植物油)に加える時は以下の点に注意してください。

・顔に使う場合は、キャリアオイル(植物油)に対して精油は濃度0.1~0.5%で。

・身体に使う場合は、キャリアオイル(植物油)に対して精油は濃度1%以下で。信頼できるメーカーから購入した精油を使いましょう。

※アロマオイル、フレグランスオイルという名前のついているものはアロマトリートメント(オイルマッサージ)には使えません。また、芳香浴用の表記のあるエッセンシャルオイルも使えません。

多くの精油が1滴0.05mlとされています。その場合、キャリアオイル(植物油)10mlに対し、濃度1%以下であれば精油は2滴まで。0.5%濃度で使う場合は1滴です。

例えば、自分の足のセルフマッサージに使う場合はキャリアオイル(植物油)10mlからブレンドに挑戦してみましょう。

お顔に使う前にまずは身体から使ってみてください。慣れてきたら顔のセルフマッサージにも使ってみましょう。

身体は大丈夫だけれど顔の皮膚が敏感だったり、化粧品でかぶれたことがあるという方は、無理に精油を使わずキャリアオイル(植物油)だけでマッサージしてみましょう。

顔に使う時は、目に入らないように気をつけてくださいね。

キャリアオイル(植物油)でセルフマッサージしたら、そのままオイルを浸透させてください。肌がしっとりして、この時期は特に気になる乾燥を防ぐこともできます。

もしベタつきが気になる場合や、そのあとすぐに着る洋服への オイル移り・香り移りが気になる場合は、タオルで軽く抑えるか拭き取りましょう。

※精油の選び方の注意点※

精油(エッセンシャルオイル)の特徴や禁忌をよく確認した上で使いましょう。

特に、光毒性のある 精油(エッセンシャルオイル)は日中の使用にはくれぐれもお気をつけください。

濃度1%以下を守っていれば過度な心配は必要ありませんが、気になる方は光毒性のある精油(エッセンシャルオイル)の使用は日中は控えましょう。(夜なら大丈夫です)

また、妊娠中の方や持病のある方、アレルギーのある方などもご注意ください。


いかがでしたでしょうか。

どうしてもアロマテラピーの中では脇役になりがちなキャリアオイル(植物油)ですが、ぜひ、その特徴や選び方を覚えてみてください。

安心して使える好みのキャリアオイル(植物油)に、お好きな香りをブレンドしてセルフケアすることで、自宅でも日常的に楽しみながら アロマケアを行うことができます。

使い分けができるようになると、とても楽しく、またセルフケアに役立つ優れものです。

精油の香りを楽しむだけでなく、こうしてキャリアオイル(植物油)とブレンドするなどして使い方の幅を広げていってくださいね。

どのオイルが自分に合うの?と言う方は、アロマテラピー専門店に行くと、知識豊富なスタッフがアドバイスしてくれますよ。キャリアオイル(植物油)の使い方を知ると、セルフトリートメントの世界がより広がります。

お試ししやすいおすすめのキャリアオイル(植物油)

店舗も多く、キャリアオイル(植物油)を使うのが初めてという方にも使いやすい生活の木のキャリアオイルをご紹介します。

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マカダミアオイルはお肌への浸透が良く、若者の肌に多いと言われるパルミトオレイン酸を最もたくさん含むオイルです。
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ラグジュアリーホテルのスパなどで使用されているプロ仕様のキャリアオイル。容量も選べるので用途に合わせて

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ホホバオイルは100℃を超える熱にも耐える非常に酸化しにくいオイルで、化粧品やトリートメントで最も使用されているものの1つです。
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こちらはちょっと価格があがりますが、オーガニックのマカダミアナッツオイル。酸化しづらく全身に使えるのでトライしやすいかも

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こちらもオーガニックタイプのホホバオイル。ゴールデンホホバと呼ばれる未精製のものですが、アレルギーテストをして使ってみてくださいね

この記事を書いたコンシェルジュ

新垣 静香/アロマセラピスト