キャリアオイルの特徴、魅力を知って肌で感じよう
2022.3.16
エッセンシャルオイル(精油)を選んで香りを楽しむように、肌に直接付けることができるキャリアオイル(植物油)も選ぶ楽しさがあります。
アロマの基本「キャリアオイル」とはどんなものなのか正しく理解していますか?
今回は、代表的なキャリアオイルを中心に、キャリアオイルを選ぶ際のポイント、注意点についてそれぞれのオイルの特徴を織り交ぜながらご紹介します。
ぜひ自分に合ったキャリアオイルを見つけて日常的なセルフケアに活用してみてくださいね。

キャリアオイルとは?
キャリアオイルとは、植物の種子や花、果実などの天然植物から抽出された植物油です。
キャリアオイルはそのままをトリートメントやスキンケアとしてお使いいただけます。
そのほか、エッセンシャルオイル(精油)を希釈するオイルとしても使用されることが多いです。エッセンシャルオイル(精油)は濃縮して純度が高いので、基本的に原液をそのまま肌に付けると、ダメージを与えてしまいます。
このトラブルを避けるために、エッセンシャルオイル(精油)を肌に付ける際は必ずキャリアオイルで希釈してから使用する必要があります。
この希釈したオイルで、アロマトリートメントとして使用することができます。
キャリアオイルのキャリアとはエッセンシャルオイル(精油)の成分をカラダの中まで「キャリア=運ぶ」という意味だと言われています。
キャリアオイルを使う前にまず最初に注意すること

キャリアオイル(植物油)の違いがよくわからない、という話を聞きます。
試供品を配るお店はこの数年で減っていますし、コロナ禍もあり、衛生上、テスターを置くお店も減っています。そのため、実際に購入前に手にとってお試しする機会が失われています。
そのような状況下で初めて植物油を選ぶ場合は、自分自身の肌質やアレルギーの有無など、わかる範囲で確認しておくと安心です。
例えば、ナッツアレルギーをお持ちの方は、場合によってはマカデミアナッツオイルを避けた方が良いかもしれません。必ずアレルギー反応が出るかどうかはわかりませんが、わざわざ不安材料があるものを選ぶ必要もありません。
キャリアオイルの特徴とおすすめの選び方

一言でキャリアオイル(植物油)と言っても、何種類もの植物油がありますので、今回は代表的なものを7種類ご紹介します。
代表的なキャリアオイルとその特徴
スイートアーモンドオイル
手に入れやすく、初めての方でも使いやすい植物油の一つです。多くの化粧品に使われています。比較的酸化しにくく、ほとんど無臭です。粘性はややありますが、無色~やや淡黄色がキレイな植物油です。
マカデミアナッツオイル
人の皮脂に含まれるパルミトレイン酸を多く含む植物油です。酸化しにくく、お顔にも身体にも使えて肌なじみの良い、柔らかめのテクスチャーが特徴です。皮膚への浸透性が高く、「消えてなくなるオイル」といわれるくらい肌なじみの良いキャリアオイルです。
オリーブオイル
少し重ためのテクスチャーですが、ビタミンEを含むため酸化しにくくその分、保湿やエイジングケア、揉み出しの施術をする際にはおすすめです。キレイな淡黄色〜緑色が特徴です。
グレープシードオイル
ブドウの種子から抽出され、とてもサラッとしたオイルです。オイル特有のとろみやしっとり感に慣れていない方におすすめです。また、夏に汗をかきやすく、ベタつきが気になりやすい方には最適なオイルです。
ライスオイル
日本で流通しているライスオイルの多くは日本のお米のコメヌカや胚芽から抽出しています。昔から米を主食とする日本人の肌に合いやすく、肌なじみも良く保湿力、美白作用も期待できます。お顔や身体、ヘアケアなど幅広く使用できます。
ホホバ
日本ではホホバオイルと表記されていることが多いですが、正確には、ホホバは植物性ワックスです。使い方は、他の植物油と同じように使用できます。とても酸化しにくく、肌なじみも良いですが、少々高価です。多くのサロンでトリートメントに使用されます。低温で固まる性質があります。
冬場、固まってしまった場合は、少量であれば瓶ごと手で握って温めると徐々に溶けて、もとのホホバ油の状態に戻ります。あるいは、温かい部屋に置いておくと徐々に液体に戻ります。
スクワラン
サラッとしていて肌なじみがとても良く、様々な化粧品に使用されることが多いです。酸化しにくく、以前よりお店でも入手しやすくなりました。
無色透明でにおいもほぼ無いため、お顔や身体のケアに加え、頭皮ケアなど幅広く使えます。
テクスチャーや肌なじみ以外でのキャリアオイルの選び方
植物油の肌なじみの感覚やテクスチャーの違いで選ぶ以外で、キャリアオイルを選ぶ方法をあげるとしたら、自分の肌質に合うかどうか・使用する季節や使用感の好みをあげることができます。
例えば、汗をかきやすかったり、オイル塗布後の仕上がりに好みがある場合は、季節や使用感、塗布後の仕上がり、部位によって変えてみても良いでしょう。
乾燥しやすい肘や膝、かかとなどはしっとりするスイートアーモンドオイルやオリーブオイルなどを使用し、お顔やデコルテなどはサラッとした仕上がりのマカデミアナッツオイルやスクワランを使用します。またヘアケアにはホホバを使う、など工夫すると、植物油を使ったケアが楽しくなってきます。
また、季節によって変えたり、朝晩で変えてみたり、女性特有のホルモンバランスの揺らぎによる肌の変化で、変えていくというのも良いと思います。
ただ、気をつけることは、肌の揺らぎがあるときに急に植物油を変えると、返って悪化してしまうことがあります。植物油を色々と試すときは、肌の揺らぎのないときに行い、その使用感や仕上がりについて忘れないようにメモを残しておくようにしましょう。
キャリアオイルに香りをブレンドして自分だけのオイルケアを楽しもう

使用するキャリアオイル(植物油)が決まったら、ぜひ実際にケア用として使ってみてください。そして、使い慣れてきたら、次からはお好きな精油(エッセンシャルオイル)をブレンドして香りも楽しんでみましょう。
キャリアオイルにブレンドする精油の量に注意
精油は1滴=約0.05mlです。植物油10mlに対し、精油は1~2滴入れることができます。お顔は身体の半分の濃度で使用しますので、植物油10mlに精油は1滴のみです。
たったこれだけ?と思うかもしれませんが、鼻のあるお顔にはたった1滴でも充分香りは届きますので、たくさん入れ過ぎないように気を付けましょう。
お顔を除く全身のセルフケアは、大体10~15mlの植物油で足りると思いますが、肌質や季節、植物油の種類によって増やす必要があります。身体に使う場合は、キャリアオイルに対して精油は濃度1%以下にしましょう。
その都度、自分の肌の状態や気分と相談をしてブレンドオイルを作るのも良いと思いますし、予め数日分のブレンドオイルを作成しておき、保存容器(遮光瓶がおすすめ)に入れておくのも良いでしょう。保存容器には、「植物油名」「精油名と滴数」「作成日」を書いたラベルシールを必ず貼っておきましょう。
使用する際は身体から使ってみてください。慣れてきたら顔のセルフトリートメントにも使ってみましょう。
身体は大丈夫だけれど顔の皮膚が敏感だったり、化粧品でかぶれたことがあるという方は、無理に精油を使わずキャリアオイルだけでトリートメントしてみましょう。
顔に使う時は、目に入らないように気をつけてくださいね。
キャリアオイルでセルフトリートメントしたら、そのままオイルを浸透させてください。肌がしっとりして、気になる乾燥を防ぐこともできます。もしベタつきが気になる場合や、そのあとすぐに着る洋服への オイル移り・香り移りが気になる場合は、タオルで軽く抑えるか拭き取りましょう。
いかがでしたでしょうか。
どうしてもアロマテラピーの中では脇役になりがちなキャリアオイルですが、ぜひ、その特徴や選び方を覚えてみてください。
安心して使える好みのキャリアオイル(植物油)に、お好きな香りをブレンドしてセルフケアすることで、自宅でも日常的に楽しみながらアロマケアを行うことができます。
ぜひキャリアオイル(植物油)の魅力や特徴を感じながら、使ってみてください。
どのオイルが自分に合うの?と言う方は、アロマテラピー専門店に行くと、知識豊富なスタッフがアドバイスしてくれますよ。キャリアオイルの使い方を知ると、セルフトリートメントの世界がより広がります。