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養生今昔 1月~無病息災~

2020.1.9

令和初のお正月。初詣では家族の健康や幸せを願い手を合わせる方が多かったのではないでしょうか。今年は心と体を良い状態に保つにはどうしたら良いかを、江戸時代の『養生訓』にヒントを得ながら考えていきたいと思っています。健康に生きるためのヒントがいっぱいですよ。

令和初のお正月。皆さまどのようにお過ごしでしょうか?

年末の大掃除などの神迎えの準備や、新年の初詣などの年中行事を行っていると、私たちは神道の国にいるのだなぁと改めて感じます。

特に昨年は、新しい元号に変わる御代替わりの行事が行われ、日本の文化と神道との繋がりを深く感じる時間を多く持ったように思います。

さて、今年のコラムでは江戸時代の『養生訓』にヒントを得ながら健康について考えていきたいと思っています。お付き合いいただけましたら幸いです。

無病息災と養生。健康な生活を送るために

新元号に変わって初めてのお正月。初詣に行かれた方も多いと思います。

神社に参拝すると、身が清められたような、清々しい気持ちになりますよね。

皆さんは初詣で何をお願いしましたか?

「無病息災」「家内安全」「学業成就」など、人それぞれ願いはあると思いますが、「家族みんなが健康で幸せでありますようにお見守りください。」と手を合わせる方が多かったのではないでしょうか。

生活に留意して健康の増進を図ること(摂生)や、病気の回復につとめること(保養)を「養生」と言います。健康な生活を送るためには養生が大切です。

貝原益軒(1630年12月17日- 1714年10月5日)

狩野昌運筆 貝原益軒讃 /Wikipediaより

「養生」と言えば、江戸時代の本草学者(植物療法家)で儒学者の貝原益軒が書いた『養生訓』を思い出します。

江戸時代のベストセラーと呼ばれていて、現在でも健康に関心の高い多くの人に読まれていいます。

貝原益軒は84歳とかなりの長寿でした。江戸時代の平均寿命は30歳~40歳とされていますから、かなりのご長寿です。

当時は乳幼児の死亡率が高く、感染症で亡くなる方も多かったので、平均寿命がかなり短くなりますが、中にはご長寿の方もいらっしゃったようです。

一般的には45歳~50歳くらいで仕事を退いて、10年から20年くらいご隠居生活を送る人が多かったようです。

60歳代から70歳代の方もいらしたようですが、それにしても84歳はかなりのご長寿ですよね。

現代と違い、医療が発達していなかった時代なので、病気になっても適切な治療が受けられないため、まず病気にならないことが大切だったと考えられます。

貝原益軒が残した『養生訓』には長寿や健康に生きるための秘訣や秘技が色々と記されています。

養生訓

養生訓 貝原益軒 /by Hanabishi(Wikipedia)

『養生訓』は1712年に書かれたもので、実体験に基づいた養生法が収められています。全部で8巻。

『養生訓』の巻1と巻2は「総論」、「飲食」に関する巻3と巻4、「五感」に関する巻5、「病への対処法」が巻6、「薬の使い方」が巻7、「老人の養い方や子供の育て方」が巻8となっています。

今の時代の健康法としてそのまま生かせる方法やそうでない方法も収められていますが、考え方はとても参考になります。

「命を大切にしよう!」~『養生訓』総論より

『養生訓』の総論の始めには、

「天地父母から授かった大切な命を大事にしなくてはいけない」

と書かれています。

また、元気に生まれた命なら、養生さえ怠らなければ必ずみんな長寿になれるとも益軒は言っています。

養生には、生活の仕方や心の持ち方、食べ物の摂り方からマッサージ法まであり、これらを必ず行っていれば、皆長寿になれるとのことです。

そして益軒は、人生の楽しみは長く元気でいることで味わうことができ、60歳以降が最も幸せを感じられるとも言っています。

益軒の養生法は、かなりストイックで現代人が全てを実行するのは困難ですが、『養生訓』から現代に生きることのありがたさや見直さなければいけない事などの気づきを得ることが出来ました。


今年は江戸時代の『養生訓』にヒントを得ながら、心と体を健康に保つにはどうしたら良いかを考えていきたいと思っています。

次回は4つの「外邪(外敵)」と「内敵」の対処法についてお伝えしたいと思います。

この記事を書いたコンシェルジュ

佐佐木景子/アロマプロデューサー

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